岡山理科大学と研究中のSPS特許技術が国際学会で成果発表
スペースシードホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:鈴木健吾、以下「当社」)は、岡山理科大学(所在地:岡山県岡山市、学長:平野博之)と進める「次世代SPS(Spark Plasma Sintering)装置」に関する研究の成果が、国際学会 29th International Conference on High Pressure Science and Technology(AIRAPT-29) においてポスター発表されたことをお知らせいたします。
本成果は、当社と同大学・森嘉久教授のチームが協力して進める開発中のSPS技術を基盤に、Palm型キュービックアンビルとSPSを統合した超高圧スパークプラズマ焼結(UHP-SPS)プラットフォームの有効性を実証するものです。
学会名:29th International Conference on High Pressure Science and Technology(AIRAPT-29)
発表題目:Reduction of the glass formation temperature of SiO2 using ultra-high-pressure SPS

研究成果のポイント
・低温条件下での透明化:従来1700℃超が一般的とされる透明セラミックス化に対し、2.4 GPa・約600℃でアモルファスSiO₂粉末から大面積・高均質な透明焼結体の合成に成功。
・均一場の確保:Palm型キュービックアンビルを適用することで圧力・温度分布の均質性を確保し、ピストンシリンダー型に比して大型・均質試料の回収性が向上。
・通電効果の活用:パルス通電(ジュール加熱)×高圧の相乗作用により、外部加熱単独では到達困難な透明化反応を促進。
科学的背景と技術的課題
SPSは、短時間かつ相対的低温での粉末焼結を可能とし、ナノ構造制御や非平衡相創製に有効です。一方、従来SPSの加圧上限は概ね0.1〜0.15 GPa(最大でも0.5 GPa)に制約され、難焼結材料や新規相探索に物理的限界がありました。当社と森教授らは、10 GPa級静水圧での通電焼結を見据えた特許技術(共同出願中)に基づき、Palm型セルを中核とするUHP-SPSの装置概念を具体化。本件SiO₂透明化は、その実装に向けた技術的マイルストーンに位置づけられます。

技術の概要と革新性
・10 GPa級を指向:将来的に従来比100倍以上の加圧力での通電焼結を実現しうる設計思想。
・再現性と拡張性:Φ10 mm以下の微小試料からスケールアップへ展開可能なセル最適化。
・モジュール設計:卓上サイズへのモジュール化を志向し、分散型研究(複数拠点での実験)を後押し。
・アドオン展開:既存SPSへのアドオン化も視野に、研究現場での実装容易性を高める。
応用可能性と産業インパクト
本成果は、以下の先端材料領域での展開が期待されます。
・透明セラミックス:光学素子、レーザー窓、センサ用窓材 等
・超硬・高機能材料:ナノ多結晶ダイヤモンド、c-BN、h-BN、耐熱セラミックス、新規熱電材料 等
・量子・エネルギー材料:非平衡相、透明導電性酸窒化物、高密度電解質、次世代電池材料 等
今後の展開
・装置評価:Palm型アンビル搭載セルの初期プロトタイピング/耐熱・通電性能評価を継続。
・材料展開:SiO₂に加え、機能性酸化物・窒化物・炭素系での透明化・高密度化・相転移制御を検証。
・社会実装:装置ライセンシング、受託焼結/材料ライブラリー等の事業化検討に加え、GAPファンド等を通じた大学発スタートアップの創出を視野。
・情報公開:国内外学会・査読論文を通じて成果を継続発信し、SPS技術の新たな産業標準の確立に寄与。
スペースシードホールディングス株式会社について
スペースシードホールディングス株式会社は、「SFをノンフィクションにする」をミッションとして、投資活動、研究活動ならびに事業創出を行う宇宙系ディープテックベンチャービルダーです。発酵とロンジェビティー技術の社会実装を支援する「Fermentation and Longevity Fund」プログラムの運用などを軸に、社会課題を解決する事業の創出に取り組んでいます。2040年までに各種ステークホルダーとともに、人類が宇宙空間で居住するのに必要な技術を揃えることを目指しています。